インプラントの成功率と安全性は高い
インプラントの成功率
歯のインプラント治療は成功率の高い治療法であることは間違いありません。オッセオインテグレーテッド・インプラントの治療を受けた患者数は世界的に見ると1000万人を超えており成功率は99%以上となっています(国際基準では5年以上経過できたものは全て成功にカウントされます)。
つまり、難しい外科手術のように、「成功する確率は・・%」と医師が患者に知らせておかなくてはいけないような不安定な手術ではないことは確かです。
故日本歯科医学会会長関根氏の言葉を紹介します。
「義歯(入れ歯など)よりも有意性のある治療であり、今や厳密に症例を選択し、基本ルールを厳守すれば成功する、すなわち、科学的に立証され、組み立てられた治療法として確立されています。歯科医師が・・技術を修練させていけば、必ずや患者さんに満足してもらえる」
インプラントの安全性
インプラント治療の安全性は世界で一番厳しいアメリカ歯科医師会の承認を正式にうけています。現代のインプラント治療は、長い年月をかけ綿密な研究を重ねた結果完成したもので、患者のケースごとに、どうように治療するのが最善かルールが完成しています。そして、万が一失敗してとしても、それに対する対応手順もすでに確立されています。
インプラントの素材であるチタンに対しアレルギー反応を起こした例も今のところ報告されていません。
過去のインプラント発展途上の段階ではセラミックなどを利用していた時期がありました。インプラントは時間が経つに連れて駄目になる当時の不安定なイメージを引きずっている方もいます。
現代のインプラント手法であるオッセオインテグレーテッド・インプラントは、その厳格な成功基準から、昔のインプラント治療と別物と考えてください。
歯のインプラント治療で成功率や安全性を脅かすのは歯科医の問題
歯のインプラント治療で成功率や安全性を脅かすのは歯科医の問題だとよく言われます。インプラント治療は治療方法や手順を含め、たびたび建設業に例えられます。
建設業界を震撼させた耐震偽装問題や悪質リフォーム問題は、そのままインプラント業界にも当てはまります。技術や知識を持っているはずの一級建築士がコストのためにルールを破ったり、技術がないのに技術があるかのように宣伝して工事を請け負う業者です。
本来正しい手順を踏めば成功して当たり前のインプラント治療ですが、その成功率が脅かされる背景には歯科医師自身に問題がある場合が実際に多いのです。
インプラント治療の安全性に影響する例
インプラント治療がどんなに信頼性が高い治療方法でも、その技術を使う人間に問題があれば安全性は脅かされるのです。歯科医師自身に問題があったがためにトラブルになたケースを見ると、- CTやレントゲンで骨の厚さや神経の位置を確認しなかった(→空洞貫通・神経損傷)
- 骨が足りないのに強引に手術を進めてしまった(→耐久性)
- 衛生管理の手抜き、素材の使い回し(→細菌感染)
- 安全性の低い安物素材をあえて利用した(→耐久性・有害物質)
- 体調不良なのに手術に臨んでしまった(→ドリル操作ミス)
- 教育や知識、技術が不足してるのに患者獲得にだけは熱心(→欠陥サービス)
- 問題だらけの歯科医なのに、生活の為に自ら退く様子はない(→とまらない被害拡大)
- 行き過ぎた過当競争(→サービスの質の低下)
最近話題になり問題になっているのは、クレームの常連になっているような悪質な歯科医が現在もなおインプラント治療を続けているケースです。必要な情報が患者に伝わっておらず、一箇所の歯科医院から被害者の拡大はなおも続いているというのです。
インプラントが成功しなかった例
一般的にインプラントが成功しなかった例で多いのは手術後に感染症にかかってしまうケースです。ただこの場合は、まだ再手術などで対応が可能ですので失敗と言い切れるかどうかはわかりません。しかし、失敗後に体の不具合がもとに戻らないケースもあります。
インプラント治療の失敗で訴訟にまでなったケースを見ると、ドリルの作業時に歯医者の不注意から顎の神経を損傷してしまい、後遺症がのこってしまったというものが多いいようです。
CTスキャンやレントゲンをきちんととっていなかったというお粗末な例もあれば、実績を多く積んだ評判の医師がいっときの不注意でミスを起こしたケースもあります。
体を削る手術である以上、リスクはゼロにはできません。
2007年には手術中のドリルによるミスによって国内で初めての死亡事故も起きました。大きな血管を損傷後に、その後の処置が遅れて患者が死亡したそうです。
インプラント素材の安全性
インプラント素材の安全性は純チタンを使っている限りゆらぎません。チタンが骨と結合する発見がされてから50年以上経ちましたが、純チタンによる人体への影響は今のところ報告されていません。骨への影響もないようです。
インプラントの素材を長期間入れ続けること自体には心配はないでしょう。
ただし、歯医者がアジアから輸入したインプラント素材に有害物質が混じっていたという事件もありました。
さらに、細菌感染防止のために再利用・使い回しが禁止されているインプラント素材の使いまわしをしていた歯科医師がいたことが週刊誌でスクープされています。
とはいえ、これは信頼できる歯医者であれば必ずクリアできる問題です。医師から説明を受けるときに、どのメーカーのインプラント素材を使うのかは必ず聞き出しましょう。
インプラント手術の安全性
インプラント手術の安全性は、ルールを厳格に守っているかぎり脅かされることはありません。インプラント手術は少し難しい親知らずの手術のような感じで、あらゆる治療をこなす歯科医にとっては必ずしも難しい手術ではないようです。とはいえ、人の手で行うものなので、親知らずの抜歯手術でまれに事故があるようにインプラント手術でも事故が起こる可能性はあります。
インプラント手術はトラブルや事故を防ぐための手順が決まっており、しっかりとした治療計画・厳格なルールに沿って進めていけば成功する安全な手術です。衛生管理を徹底した手術が成功すればその後の副作用もほとんどありません。
インプラントを埋め込む手術は、インプラント治療最大の山場です。この手術を終えてしばらくしても何も異常がなければ、ほとんど成功したと言っていいでしょう。
インプラント手術の安全性をより高める方法
インプラント手術で医療事故を防ぐためにCTスキャンの画像データを利用することで、より安全に手術を行えるようになりました。CTの精度の高い立体映像データをパソコンに取り込み、コンピューターで手術の計画を立てられるようになったのです。
CTのデータでインプラントを建てる位置、方向、深さなどが確定したら、その正確な情報を手術に利用するためのサージカルテンプレートというマウスピースのような型を作ります。
サージカルテンプレートを顎にハメることにより、CT診断で決定した位置に向かってより確実にインプラントを埋め込むことができるのです。これで偶発的な事故が起きる確率が確実に減り、インプラント治療自体も綺麗に仕上がることは間違いないでしょう
このようなCTガイドシステムを導入している歯科医・CT画像を治療に利用する技術を持った歯科医を見つけて治療を受ければ事故予防も確実です。
実際は、CTスキャンを利用しない一般開業医は多く、レントゲンで十分という意見も多いです。CTスキャンは高額設備なので、歯科医院にはなくても歯科医紹介先の大学病院などでCTデータを取って利用している歯科医もいます。
大学病院ではCT必ず撮ります。また、大学病院や大きな専門病院では口腔外科、麻酔科、補綴科、放射線科がチームを組んで一人の患者を診るため、一般の開業医よりも心強いです。